「自分も、お客様も楽しく」みてね CSのメンバーが大切にする、コミュニケーションの秘訣とは?

 
2023/5/19
 
 
「家族アルバム みてね(以下:みてね)」は7言語・175の国と地域でサービスを提供しており、ユーザー数が1500万人を突破しました(2022年8月現在)。ユーザー数とともにお問い合わせの数も増加し、多言語対応などチャレンジングな場面に直面する時も。
そんなCSグループのメンバーが、楽しく仕事をするために心がけていることとは?
みてね CSグループのマネージャーである佐藤とメンバーの越田に、コミュニケーションの秘訣や働き方、今後の展望などについて聞きました。

以前はPO自らもCS対応。そんなみてねのユーザーへの想い。

 
━━佐藤さんは2016年にみてねにジョインされ、2017年にCSチームを立ち上げられたとのことですが、チーム立ち上げのきっかけについて教えていただけますか?
佐藤:当時は事業部全体のメンバーが10名程度と少ない中でしたが、ユーザー数と比例してお問い合わせの数が増えている状況で、一人ひとりに真摯に対応するためにはチームを立ち上げる必要があると考えました。
また、こちらの記事で当時の経験についてお話されているのですが、僕がジョインした当初は、MIXIの創業者かつみてねのプロダクトオーナーの笠原さんともう1人の2名でCSを担当されていました。さらに、その時にCSツールを使わずメールで対応されていて、このままだとスケールしない!と思ったのも体制を整えようと思ったきっかけの一つです(笑)
チーム立ち上げのタイミングで笠原さんの代わりに自分がCSにジョインし、同時にCS管理ツールも導入しました。
 
━━リリース当初でメンバーが少なかったとはいえ、笠原さんはユーザーの声をかなり重要視されている方なのだろうという印象を受けました。
佐藤:顧客満足度をかなり大切にされる方なので、サービスを気持ちよく、楽しんで使っていただけているかは非常に気にされています。
CSという役割を外部に委託せず、みてねという事業部の中に持ち続けているのも、ユーザーの声にきちんと向き合いたいという意志の表れだと思っています。
 
━━直接の担当を離れた後も、いつでもユーザーの声に耳を傾けることができる体制になっているんですね。その後、チームはどのように成長していったのでしょうか?
佐藤:少しずつ人数が増えていき、越田さんも他の部署からの異動で2018年にジョインしてくれました。
2017年には英語版リリースに伴う海外対応を始めるため、英語ネイティブのメンバーにもジョインしてもらいました。対応言語を増やすたびにローカライズのメンバーも増え、現在はフルタイムのCSメンバーが6名、各国語の翻訳を担当するローカライズのメンバーが4名で合計10名体制になっています。
 
━━越田さんは2013年にミクシィ(現MIXI)に入社し、いくつかの部署でCSを経験されてきたとのことですが、みてねのCSグループにはどんな雰囲気があると思いますか?
越田:アットホーム感がありますね。Slack上でのコミュニケーションも、かなり活発な気がします。
 
━━Slackでは、どういった内容を投稿されているのでしょうか?
 
 
越田:仕事に関しての話題はもちろん、プライベートな会話もわりと多いです。季節の変化や週末楽しかったことなど、本当に雑談ですね(笑)
佐藤:安心して雑談ネタを投稿できる空気感がありますよね。CSの仕事には、トラブル対応や厳しいご意見をいただく場面など、精神的にタフな局面もあると思います。そうした時に心に余裕を保つためにも、チームにはある程度リラックスしたムードが必要だと感じています。

お問い合わせ件数の増加に対応する、業務効率化の工夫とは

 
━━続いて業務についてもお聞きしたく、みてねはユーザー数が1500万人を突破され、お問い合わせ数も増えていると思うのですが、どのように業務を効率化されていますか?
佐藤 :なるべく自己解決していただけるよう、ヘルプページやアプリ内の案内を拡充したり、アプリのUX自体を改善したり。そういった工夫を重ねてきたことで、お問い合わせ件数が激減したカテゴリも出てきました。
越田:現場のいちメンバーとしては、お客様からの要望を整理して開発のメンバーにも共有し、プロダクトの改善につなげられるよう気をつけています。
 
━━CSグループは、ユーザーの要望を吸い上げる役割としても機能されていると。ちなみに、外国語にも対応されているんですよね。
佐藤:そうですね。日本語、英語(アメリカ英語・イギリス英語)、中国語(繁体字)、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の7言語に対応しています。最近は外国語でのお問い合わせ比率が上がっていて、全お問い合わせ件数の半分弱を占めています。
 
━━各言語でのお問い合わせには、どのような流れで対応されていますか?
越田:基本的には言語ごとに担当者を置いていて、私は主に英語のお問い合わせの担当です。
お問い合わせに対する返信案を作成して、ローカライズのメンバーに翻訳していただき、お客様に返信するという流れで対応しています。今は翻訳してくださるローカライズの方もみてねについて詳しくなり、ご自分で返信を用意してくださることも増えました。
佐藤:ネイティブならではのニュアンスを汲みとってくださるので、すごく助かってますよね。

一歩ずつ丁寧に進める。みてねCSの海外ユーザー対応の裏側

 
━━ローカライズメンバーのサポート体制の下で、多言語対応に取り組まれているんですね。とはいえ、大変なこともあるのでは?
佐藤:ヘルプページで自己解決いただけるような内容が増えた分、CSチームが対応するお問い合わせは、解決に時間がかかるようなものも多いですよね。
 
 
越田:そうですね…。海外からのお問い合わせ対応に限った話なのですが、お客様がどの商品やサービスを指しているのか汲みとるのに苦労することがあります。たとえば、海外でのみてねの名称は「FamilyAlbum」なのですが、フォトブックや写真アルバムのことも「Album」という言葉で表現することがあります。
 
━━意図するのが商品なのかサービスなのか、判断が難しいですね。そんな時はどのように問題解決されているのでしょうか?
越田:どちらを指しているのか、経験則でだんだんとわかるようになってくるので、状況から推測しつつ、 正解に近いであろう答えを返信しています。
佐藤:お問い合わせいただいたユーザーの過去の注文履歴から推測して適切な返信をするなど、非常にきめ細かい対応をしてくれていますね。
 
──なるほど。一歩ずつ丁寧に進められているんですね。自分ではどうしても分からない問題があった場合は…?
越田:一番経験の長い方や、佐藤さんに聞いて解決することが多いです。また、これはCSじゃ絶対に分からないという時は、CXEというCSの相談を受けてくれるエンジニアグループの方々に調査してもらうこともありますね。
 
─すべてのお問い合わせを把握するのは難しいでしょうし、イレギュラーなケースもあると思うので、あらゆるお問い合わせに対応できるだけの経験を得るには時間がかかりそうですね。
佐藤:そこは課題に感じている点ですね。休日もシフトを組んで対応しているのですが、平日と違い、1人でカバーしなければならない領域がぐっと広がるんですよね。さまざまなバリエーションのお問い合わせを経験し、あらゆる状況に対応できるようになるには、現状どうしても時間がかかっています。
越田:今は一番CS経験の長い方が、新しくジョインした方から分かりづらかった点などの意見をもらいながら、少しずつオンボーディングプランを整えている段階です。

「伝えたいことを伝える」には、自分もリラックスすることが大切

 
──いろいろと大変な場面もあるかと思いますが、そんな中でも大切にしている考え方はありますか?
 
 
越田:常にリラックスするように努め、できるだけポジティブで柔らかい表現を使うように気をつけています。やはり自分自身がイライラした状態で働いていると、その感情が文章にも表れてしまうと思うんですよね。
そうすると、お客様も「なんでこんな言い方をするんだろう」と本題とは違うところが気になってしまうと思うので。本当に伝えたいことを伝えるために、自分も、お客様も楽しくいられるよう、文章表現には気を配っています。
 
──お互いに気持ちよくいられるのが一番ですよね。ちなみに、やりがいを感じるのはどういった瞬間でしょうか?
越田:サービスを使わせてくれてありがとう、という感謝の気持ちとともにお問い合わせをいただくことが多く、嬉しい気持ちになりますね。
佐藤:お問い合わせも、感謝のメッセージの割合が高いですよね。あとはオフィスにもいくつか飾っているのですが、手書きの感謝状をいただくこともあります。「こんな素敵な商品作ってもらってありがとう」と、工場宛てにお手紙をいただいたこともありました。
 
──素敵なお話をありがとうございます。頑張るモチベーションになりますね…!

お客様の声をチームに届け、プロダクトの品質向上に貢献したい

 
──最後に、理想のCSの姿を教えてください。
 
 
佐藤:CSをみてねという事業部の中に持ち続けていることの強みを、最大限活かしていきたいです。
毎日何百件とお客様とやり取りするため、CSグループのメンバーの脳内には”ユーザー”という通常擬人化できない概念が、ペルソナとして存在しているんですよね。
なので、開発チームが企画を考える際も「こういう場合はどんな感情を抱くと思いますか?」「この間リリースした機能の反応はどうでしたか?」など、頻繁にCSチームに対するヒアリングをおこないます。
そうすることで、通常はユーザーインタビューを実施しないと得られないようなインサイトを、一瞬にして得ることができます。もちろん100%正確ではないかもしれませんが、お客様の声をチームに届けることで、プロダクト品質向上に貢献できるようなチームでありたいです。
 
──ユーザーの声の代弁者として、プロダクトの品質向上に努めたいと。みてね専任のCSグループだからこそ、頻繁にコミュニケーションを取れるという強みがありますね。
佐藤:同じ事業部の中にお客様のことを最もよく知る人たちがいる状況は、すごく大きな強みだと思っていて。お客さんの生の声を読み、感情などの数値化できない部分を蓄積し、ユーザーの声を代弁する。そうやってプロダクトの改善に役立つチームを目指していきたいです。