「家族アルバム みてね」を世界に届けるために、サービスへの誇りがマーケティングの原動力

 
2023/5/31
 
 
「家族アルバム みてね(以下:みてね)」は世界中でサービスを拡大し続け、2022年8月にはユーザー数がグローバルで1500万人を突破しました。その裏には、さらなる海外展開を目指し、意欲的にプロモーションを仕掛け続けたユーザーグロースグループの存在があります。
今回インタビューに登場してもらうのは、ユーザーグロースグループのマネージャーである白岩(写真左)と、海外プロモーション案件のディレクターを務めるメーガン(写真右)です。
さまざまなアイディアを形にし、新規ユーザー獲得に務めるふたりの原動力とは?仕事のモチベーションや現在挑戦していること、今後の展望などについて聞きました。

できることを増やし、キャリアの幅を広げたおふたり

──白岩さんの、これまでの経歴を教えてください。
白岩:ミクシィ(現:MIXI)に入社する前は、SEOを活用したマーケティングに従事していました。入社後はFINDJOB!でSEOを担当しつつ広告出稿なども行い、その後はSNS「mixi」や新規事業などで、ユーザーリサーチ業務を専門領域としていました。
産休から復帰するタイミングで、1人目のマーケターとしてみてねにジョイン。プロダクトオーナーの笠原さんと二人三脚でプロモーション施策を考えていました。
 
──いまはマネージャーとして、みてね全体のマーケティング戦略を立てられていると思うのですが、戦略を考えることにも元々興味を持たれていたんですか?
白岩:役割とともに、だんだんと興味が芽生えてきたような気がします。以前はスペシャリスト寄りで、1つの業務を掘り下げるような働き方をしてきました。それを繰り返すうちにどんどん知識が増えてきたので、知識をかけ合わせるとどんなことができるだろう?と戦略を考えることにも興味が出てきました。
 
──これまでに培ってきた知識を活かしているんですね。メーガンさんはコピーライターとしてジョインされて、今は海外向けのクリエイティブ制作のディレクションをされているんですよね。どのようにキャリアの幅を広げていかれたのでしょうか?
メーガン:海外の制作会社と一緒にクリエイティブを制作する際に、コミュニケーションが英語だったので、橋渡し役としてアサインされたのがきっかけでした。そこから他の案件も少しずつ担当させてもらって、いつの間にか仕事の幅が広がっていました。
白岩:採用のときから、ライターだけでなくマーケティング領域にも興味があると言ってくださっていたんです。少しずつクリエイティブ領域で手を広げてもらううち、海外のクリエイティブ制作において、なくてはならない存在になってくれました。
今は、運用面の知識や経験も増えてきたので、次は運用もやってみようかと。そんな具合で、現在進行形でどんどんできることを増やしていってくれています!

「背中を押してもらえる」雰囲気のあるチーム

 
──続いて、マーケティング部のミッションについて教えていただけますか。
 
 
白岩:マーケティング部としては、現在2つのミッションを持っています。
1つ目は、世界中のパパやママに「みてね」を知っていただき、家族みんなで「みてね」を使ってくださるユーザー様を増やしていくことです。特に、現在は海外ユーザーの獲得により一層注力しています。「みてね」があることで、子どもの写真を通して、より一層「家族の愛情を感じ・育てていける」。そんな、”繋がる価値”を、世界中の家族に届けています。
2つ目は、すでにアプリを使っていただいているユーザー様に向けて、みてねの機能や商品を知ってもらい、その魅力を伝えていく”ユーザーコミュニケーション”になります。
 
──グループの構成はどうなっていますか?
白岩:2023年の3月から、新規ユーザー獲得を担うユーザーグロースグループと、既存ユーザーに対する新規機能や商品のプロモーションを行うユーザーコミュニケーショングループの2チームに分かれました。
今後のチャレンジに備えて、メンバーそれぞれが、より専門性を高めていってもらえるように、また、今までチャレンジしていない新しいマーケティングアクションをしっかり実行できるような組織環境をさらに整えたいと考えています。
 
──これからの挑戦に備えて、よりチームの力を強化する意図があるんですね。各グループは、具体的にはどういった業務をされているのでしょうか?
白岩:ユーザーグロースグループの業務は、主にSNS広告の運用やクリエイティブ制作・インフルエンサーマーケティングなどのデジタルマーケティング領域全般です。
ユーザーコミュニケーショングループでは、アプリ内のお知らせやバナー、メルマガなどを活用して情報をお届けしたり、SNSアカウントの運用をすることでユーザー様とコミュニケーションを行ったり、みてねを更にアクティブに使っていただくための施策の計画・実行を担当しています。
 
──メーガンさんはユーザーグロースグループに所属されているとのことですが、チームにはどんな雰囲気がありますか?
メーガン:自分自身が仕事の幅を広げてきたこともあって、新しい挑戦を応援してもらえる雰囲気があると感じています。背中を押してもらえるというか。
 
──これまで実際に、背中を押してもらえた事例はありますか?
メーガン:まさに今取り組んでいる、UGC(※)の広告活用を始めた時がそうでした。UGCを広告に活用することに以前から興味を持っていたのですが、これまでやったことがないスタイルだったんです。ですが、チームメンバーに話したら背中を押してもらえて、どんどん新しいチャレンジをさせてもらってます。
※UGCはUser Generated Contentの略で、ユーザーの手によって制作・生成されたコンテンツのこと

施策の横展開で、新規海外ユーザーの獲得を加速する

 
━━UGCマーケティング関連では、どのような施策を進められているんですか?
 
 
メーガン:今のところ、海外向けのプロモーションで多く活用しています。ひとつ例を挙げると、「FamilyAlbum(みてねの海外での名称)が好きな理由」というテーマで、クリエイターさんに動画を作っていただきました。
それを広告でどんどん配信していて、最近では英語圏以外にもこの取り組みを横展開しています。
 
━━みてねのようにさまざまな国と地域に展開しているサービスだと、限られたメンバーで全ての国にマッチした広告を配信するのは難しそうに感じます。UGC施策の横展開はその突破口になりそうですね。
白岩:そういった文脈だと、多言語展開しやすい「イラストガイドライン」を活用した、広告クリエイティブの制作にもチャレンジされてましたよね。
メーガン:そうですね。「イラストガイドライン」は、世界共通で違和感なく使えるようなみてねのオリジナルイラストと、その使い方のルールをデザイナーさんがまとめてくださったもので、元々みてねのアプリ内で使われていたのですが、広告クリエイティブの制作にも活用させていただきました。
実写のクリエイティブをさまざまな国で使い回すと、文化圏によっては親近感を抱きづらい場合もあると思います。イラストなら世界で汎用的に使えるのではないかと考え、いろいろな方を巻き込みながら制作を進めました。
 
━━実写だと雰囲気が全然違うので、イラストはいろいろな場面で役立ちそうだなと思いました。
メーガン:既に広告でも使っているのですが、ひとつのクリエイティブを元に世界中に横展開していくのは初めてで、面白かったですね。
白岩:こういったアイディアを出して、実現まで動いてくださるので、日々本当に助かっています。
ちなみに、今は北米中心にプロモーション施策を打っているので、北米で効果の出た施策を日本に展開するような流れも出てきました。これまでは日本から世界に横展開していたので、また新しいフェーズに入ってきていると感じています。

サービスへの自信と信頼。そして喜びを分かち合える仲間の存在

 
━━どんなことが仕事のモチベーションになっているのでしょうか?
メーガン:パッと思いつく仕事のモチベーションとしては、2つあります。まずは、みてねというサービスを誇りに思っていることです。みてねを使ってくれている知り合いと話していると、自分たちは人生を変えるようなサービスを提供しているんだと実感できます。なので、まだ使ったことが無い人にも自信を持って勧められますし、ぜひ使って欲しい。
もうひとつが、単純にマーケティングという仕事への興味ですね。自分が責任を持ってチャレンジしたことの数値を追いながら、改善施策を考えたり、A/B検証を行うのがとても楽しいです。これからもいろいろなことにチャレンジして、成果を出していきたいと思います。
 
━━ユーザー獲得というミッションを背負ったマーケターの役割的に、自信を持って勧められるサービスだということは重要な気がします。白岩さんは?
白岩:ユーザー調査をする中で、国が違っても親の悩みは同じなんだなぁと感じていて。どこの国のパパママからも「子どもが産まれてから、写真を撮りすぎてスマホがパンパンで困っちゃう」「両親にも見せたいんだけど…」という悩みが、必ず出てくるんですよね。みてねを通じて、そういった悩みを持つ人たちの生活がより良くなると信じているので、いろいろなことを試してでも届けたい。そういった気持ちがあります。
それともうひとつ、喜びを分かち合える仲間がいることもモチベーションになっています。結果が出ることは嬉しいのですが、それ以上に、チームメンバーそれぞれが持ち味を活かして活躍してくれた結果を、一緒に喜べることは単純にとても楽しい。私にとって、仲間は欠かせない存在です。
 
 

広告運用のプロフェッショナルをチームに迎え、インハウス化を目指す

 
━━これまで、印象的だった仕事について伺ってきましたが、これから注力して取り組みたいことについてもお聞きしたいです。
白岩:これから特に注力していきたいのは、広告運用の完全インハウス化とチャネル拡大です。
 
━━まずは、広告運用のインハウス化について伺ってもいいでしょうか?
白岩:直近の海外の運用は、海外をベースにしていてグローバル運用の知見のある代理店と進めていました。ただ時差の問題などもあるので、現在はよりスピード感を持って運用していけるようにインハウス化を進めています。
実は最近、広告運用に関して多岐にわたる経験を持つメンバーが新たにジョインしてくれたんです。これまでチームに蓄積されてきた知識と新たな視点をかけ合わせて、インハウス化を進めていけたら良いなと思います。
 
━━それは、これからがすごく楽しみですね。
白岩:そうですね。すごく楽しみです(笑)
 
━━チャネルの拡大についてはどうでしょう?TikTok広告にも現在挑戦されているとのことですが、どのような流れで始まった取り組みなのでしょうか?
白岩:メーガンがアメリカ出身なので、北米のパパママ世代の友達が最近TikTokを使い始めているという情報を仕入れてきてくれたんですよね。
メーガン:そうなんです。以前TikTok広告を試した時は、若いユーザーが多かったのかそこまで効果が出ませんでした。ですが、最近はパパママ世代も使い始めているみたいです。また、当時はUGCも流行ってなかったので活用していなかったのですが、TikTokはUGCとすごく相性が良いんですよね。
今回はユーザーの年齢層も少し上がっていますし、UGC動画にも挑戦しています。日々の検証を通じて媒体の特徴が見て取れるのが面白いですね。

「世界に通用するサービス」のマーケターとして働く経験

 
━━最後に、みてねのマーケターだからこそ味わえる経験について教えてください。
 
 
白岩:やっぱり、みてねのように、日本発のサービスで世界に通用するサービスをマーケティングできる機会は中々ないんじゃないでしょうか。とても稀有な経験をさせていただいているなと思っています。
 
━━早い段階からグローバルを視野に入れて動いてるサービスは中々ありませんよね。そういう意味ではマーケターとしてはすごく面白いですね。
メーガン:A/Bテストや検証を繰り返しながら、各国でどんなクリエイティブが刺さるのか、国ごとの違いを捉えていく工程もすごく面白いと思います。
白岩:あとは、「家族」について考える機会も増えますね。世界中のいろいろな家族の在り方を知ることで、自身の視野が広がっていくのも実感しています。
 
━━子育てや家族の在り方、という側面では世界中のカルチャーに精通できそうですね。
メーガンさんが思う「みてねのマーケターだからこそ味わえる経験」も教えてください。
メーガン:根拠を持って説明すれば、挑戦するためのチャンスを与えてもらえる環境です。かつ、個人の挑戦する気持ちをチームのみんなが応援してくれるのも個人的にはありがたいです。
 
──挑戦を喜んでくれて、応援してくれる仲間がいるんですね。
メーガン:挑戦してみたいことがたくさんあるのは私だけではなくて。以前チームメンバーでやりたいことリストを作ってまとめてみたら、かなりの数になっていました。
なので、新しくジョインしてくださる方も、一緒にいろいろなアイディアを考えてくださる方だといいなと思います。