まずは国内事業のグロース、そしてその先は?「10倍の成果を出せるチームを目指す」と語るMERCHチームの挑戦。
2023/4/5
この時にエンジニアやデザイナー、QAなど職能ごとの組織は残しつつ、横軸ではみてねの事業ドメインを分割してふたつの独立したドメインチームを作りました。ここで発足したのが、DAD(Digital Album Domain)と、MERCH(Merchandising and Economics Domain)です。
今回インタビューしたのは、写真プリントや出張撮影など、みてねブランドを広げる周辺商品・サービスを担当領域とするMERCHチームの柿田(写真左)と小野寺(写真右)です。プロダクトマネージャーの柿田とエンジニアの小野寺に、ドメイン制の良さや今チームが必要としていること、そして今後の展望について聞きました。
様々な経験を積んだふたりが、みてねに興味を持った理由
━━小野寺さんはMIXI入社前に3社でのエンジニア経験があり、柿田さんはエンジニアからCTOまで経験されていますよね。さまざまな経験を積まれてきたおふたりが、みてねに興味を持たれたきっかけを教えて下さい。
小野寺:わたしは元々みてねのユーザーで、「家族アルバム みてね」というプロダクトへの興味があったんです。転職活動の際にみてねの採用ページを見て、ますます興味が湧きました。
━柿田さんはいかがでしょうか?
柿田:僕は少子化という課題の解決を人生のミッションのように感じていて、前職ではCTOとしてマッチングアプリを通じた出会いの創出に取り組んでいました。ある程度業界全体が盛り上がってきたところで、次は子どもをどうやって育てていくかに携わりたいと思い、転職を決意しました。もちろん自分が使っていて好きなサービスだったからという理由もあります。
MERCHチームは「思い出を深堀り」するサービスを提供する
━━おふたりが所属されているMERCHチームでは、どのような領域を担われているのでしょうか?DADチームは、みてねの根幹部分の開発を担っているとのことでしたが。
柿田:みてねにアップロードされた思い出を、深掘りしたり広げたりするサービスを提供するのがMERCHチームの使命だと考えています。
具体的には、みてねにアップロードされた写真・動画というユーザーの方々の大切な思い出を、写真プリント・フォトブック・DVD・年賀状といった手にとってみることのできる、形のあるものとしてご提供しています。また、出張撮影やコールドクターなどのリアルなサービスも担当領域です。
──さまざまなサービスを展開されていますね。何人ほどのチームで開発されていますか?
小野寺:MERCHチームのコアメンバーは、プロダクトマネージャーが柿田さん1名、デザイナー4名、エンジニア6名、QAエンジニア1名です。あとは業務委託で協力会社の方に開発を一部委託したり、 関連会社のスフィダンテさんやラブグラフさんのサービスがあったりします。ちなみにそういった外部連携の部分もMERCHチームの担当領域です。
サービスグロースを加速させる”選択と集中”が可能に
──2022年4月に、プロジェクト制からドメイン制へ組織体制を移行されたとのことですが、移行して変わった点や良くなった点などはありますか?
柿田:僕は以前のプロジェクト制には関わってなくて、小野寺さんもドメイン制になってから入社されたので比較は難しいのですが、選択と集中が可能になったことでサービスグロースの速度が大きく変わったと思います。プロジェクト制では通常、新機能を作って解散して、また次のプロジェクトへという流れを繰り返します。なので、リリース後に継続して売上やユーザー数を伸ばすというアクションが取りづらいんですよね。
一方で、ドメイン制では特定の領域に長期で関わることになり、リリース後も同じメンバーでの継続運用が可能です。そのため、ニーズのある部分を見極めてリソースを集中投下できていて、数字がきちんと伸びています。
──実際に効果が数字に表れてきているんですね。小野寺さんはどうですか?
小野寺:一メンバーとしてはドメイン知識がチームに蓄積されていくので、素早く動けている実感があります。みてねはそれなりに規模が大きくて色々な機能が複雑に絡むサービスなので、全体を把握しようとすると認知負荷が高くなってしまうと思うんです。ドメイン制では特定の領域の知識を身に付けていけるので、開発のストレスが少ないですね。
柿田:確かに開発スピードが早いですね。今現在(※2023年2月現在)も少しタイトなスケジュールのタスクが進行しているのですが、すごく順調に進んでいて内心「はやっ」と思っています(笑)1年ほどチームで同じ領域に関わり続けているので、ドメイン知識の蓄積はもちろん、メンバー同士の息も合ってきてどんどんワンチームになっていっている気がします。
──メンバー同士で議論しながら仕事を進めるような感じでしょうか。
小野寺:そうですね。チームで同じゴールを見て、その上で何をするべきかをみんなで議論しながら進めています。明確に「企画」「ディレクター」のような役割を設けず、各々がドメインの専門家として施策の検討段階から積極的にアイデアを出して意見交換をしているため、良い議論ができていると思います。
柿田:それをさらに加速する取り組みとして、昨年11月にKAKKAさん(プロダクト開発部 部長)が入社してから、みんなで改めてスクラム開発についても学んでいます。最近は僕が方向性や目指すゴールを提示したら、メンバー間で意見を出し合ってタスク分解したり、やるべきことを決めていったりしてくれています。僕は役割的にその議論にはあまり入らないようにしているのですが、ついつい混ざりたくなるくらい楽しそうに見えますね。
データ分析のプロが必要、価値を伝える方法の再考も
──チームとして成長を続けていく中で、課題に感じていることはありますか?
柿田:施策の効果を定量的・定性的に分析したり、振り返る時間的余裕や、データ分析のプロフェッショナルが必要だと感じています。
──なぜ、そういった人が必要とされているのでしょうか?
柿田:今、みてねにはデータ分析を専門にするチームが無いんですよね。エンジニアや少数のBizDevメンバーが片手間で分析するような感じで、僕も以前はBizDevとしてSQLを書いていました。ただ今はPdM業務がメインなので中々時間がとれず、エンジニアにも開発にコミットしてもらいたいので、データ分析のポジションがぽっかり空いてしまっていて。
今も全くやれていないわけではないですが、もっと数字ドリブンで動けるようデータ分析を強化してくれる方が居ると良いですね。専門の方にタイムリーに数字を見てもらうことで、施策を打った後の軌道修正も高速化していきたいです。
──そういった方がいれば、より高速にPDCAを回していけそうですね。小野寺さんも何か課題に感じていることはありますか?
小野寺:MERCHチームの事業ドメインの主力商品である写真プリントで言うと、良いものを作っている自信はあるのですが、どのようにしてユーザーさんにその価値を届けるかという部分にはまだまだ改良の余地があると思っています。身近なユーザーさんを見ていても、商品を買うところまで興味を持ったり体験したりしている方は少ない印象です。
なのでそういった方に対しても価値を伝えられるようにアプローチを改善していけば、もっと多くの方に喜びを届けられるんじゃないかと感じています。
柿田:写真プリントに限らず、リアル商品の価値をWEBでどのように伝えていくのかは課題ですよね。あとは体験談の口コミ創出など、もっとブラッシュアップできることがあると感じています。
2倍、3倍ではなく10倍の成果を出せるチームを目指す
──先ほど「選択と集中が可能になったことでサービスグロースの速度が大きく変わった」とおっしゃっていましたよね。その状況を踏まえて、これからどんなことに注力されていくのでしょうか?
柿田:来期以降は今期の取り組みの中で大きなグロースの可能性を感じた商品・サービスに、リソースを集中投下する予定です。
ドメイン制になってからもうすぐ1年が経ちますが、僕の中ではこの1年間は広くやっていく時期だったんだろうなと思っていて。いろんな種を少しずつまいて、何が一番育つのかを見ていました。その中でユーザーニーズが高かったものにより特化することで、お客様にもっともっと喜んでいただけると考えています。
──スクラム開発体制の整備や新メンバーの採用などで、今後さらにチーム力を強化して注力事業に取り組んでいかれるんですね。
柿田:やるからには、2倍3倍と言わず10倍を目指してやっていけるようなチームにしたいですね。ちなみに小野寺さんは、目指すチームの姿とかってありますか?聞いてみたいです。
小野寺:オーナーシップを持って改善に取り組めるメンバーばかりなので、開発プロセスを最適化して、各メンバーの能力が最大限発揮されるようになれば嬉しいです。今はまだ過渡期というか。
柿田:そうですね、もっと最適化されたらすごくなるだろうなあ。僕もそれを見たいです!
小野寺:開発プロセスの最適化には既に取り組み始めていますが、例えば会議体や開発フローなど、まだまだやりづらさを感じる部分も残っていて。やり方に慣れていない部分もあると思うので、そこがしっかりハマって回りだしたらもっと楽しくなりそうだなと思います。
柿田:小野寺さんについていきます(笑)こういった話もできるようになって、すごく良い1年でしたね。
小野寺:みんなで共通の課題の認識が持てた感じがしますよね。
それぞれの文化圏に合わせたサービス展開で「ユーザーサプライズファースト」を届けたい
──さらにその先の展望について伺ってもいいでしょうか。
柿田:海外で事業を拡大していきたいという気持ちでいます。日本でしっかり利益を確保できるようになったら、次は海外だと思うので。僕はみてねを初めて見た時から「世の中を変える、そして世界で戦えるサービスだ」と思っていたんです。実際に海外の新規ユーザーも増えていますしね。
──具体的にどういったことをやりたいか、イメージはありますか?
柿田:何に注力するかはまだ先の話ですが、ひとつ言えるのは、各文化圏の感覚に合わせたサービス展開をしていきたいというところです。例えば写真プリントだと、海外でも日本のL版というサイズの写真を提供していて。これは海外の方からすると馴染みのないサイズで、インチに直したらすごく中途半端な数字なんです。それって海外のユーザーさんから見たらちょっと怪しいサービスな感じがしますよね(笑)
広告のクリエイティブも海外と日本では違ってくるはずですし、そういった細かい違いを本気で合わせにいかないと世界は取れないと考えています。海外のユーザーさんにもMIXIが大切にしている「ユーザーサプライズファースト」を届けたいです。
──各文化圏に最適化して、一つ一つの伝え方に、ユーザーさんを幸せにするような驚きを込めていきたいという気持ちがあるんですね。
柿田:さすが日本品質だ!って思ってもらいたいですね。
──小野寺さん的にはいかがでしょうか?
小野寺:今はどんどん海外展開していこうというフェーズで海外向けの機能を色々作っていて、作る側としても面白いです。mixi Americaの方ともやりとりしますし、異文化に触れる機会が業務上で経験できていて、それもすごく楽しいです。
──作り手としてさまざまな経験ができているんですね。これからもMERCHチームの起こすアクションを楽しみにしています。それでは、ありがとうございました!